診療内容

気管支鏡検査を受けられる方は、呼吸器センターで医師が検査を予約しますので、まず呼吸器センターを受診してください。気管支鏡は気管支肺領域の疾患の診断治療を目的として施行されます。呼吸器センターでは、年間約400件の気管支視鏡検査の実績があります。肺癌に関しましては、早期発見を心がけており、喀痰細胞診にて少しでも肺癌の疑いのある細胞が出た方や血痰が出た方には積極的に気管支鏡を施行しております。中心型早期肺癌の症例には外科的切除を施行せず、東京医大で開発された最新の低侵襲治療である内視鏡的な光線力学的治療(Photodynamic Therapy: PDT)を施行しております。また、当センターでは、軟性気管支鏡(flexible bronchoscope)はもちろんのことですが、硬性気管支鏡(rigid bronchoscope)による診断治療も積極的に施行しております。

検査を受ける前の注意点
  1. 気管支鏡検査を受けられる方は、検査直前のお食事は絶食になります(例えば、午前中の検査であれば朝食抜き、午後の検査であれば昼食抜き)。
  2. 心臓のお薬などで血液を固まりづらくする薬(バイアスピリン、バファリン、ワーファリンなど)を内服されている方は、検査前に休薬期間が必要となりますので医師にご連絡ください。
  3. 義歯のある方は、検査前に外してください。
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気管支鏡の麻酔
  1. 噴霧した麻酔薬キシロカインを吸入していただき、咽喉頭、気管気管支の局所麻酔を行いますので、歯医者などの麻酔でショックを起こしたことのある方は注意が必要です。
  2. 検査終了後も麻酔の影響が残りますので、検査後2時間は飲水や食事ができません。
気管支鏡検査内容
  1. 気管支擦過細胞診断

    ブラシにて病巣を擦過し細胞を採取します。

  2. 気管支鏡下生検

    鉗子にて病巣を採取します。

  3. 気管支肺洗浄

    生理食塩水を気管支から肺胞内に注入し、注入液とともに細胞を回収し検査します。

  4. 経気管支肺生検(Trans-bronchial Lung Biopsy:TBLB)

    肺末梢に存在する病巣は気管支鏡での直接観察が困難であるため、エックス線透視を用いて病巣に鉗子を誘導し生検を行います。

  5. 気管支エコー

    気管支への癌の浸潤の深達度や周囲リンパ節の評価目的に施行します。

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施行可能な治療法
  1. レーザー焼灼術

    高出力ダイオードレーザーを用い、気管支内の腫瘍や肉芽を焼灼します。

    気管分岐部腫瘍に対する高出力レーザー焼灼術 (手術不能例)

    治療前
    治療後
  2. アルゴンプラズマ焼灼

    Argon Plasma Coagulator (APC)を用いて、腫瘍や肉芽を焼灼します。レーザーに比べ焼灼能力は弱いですが、安全性に優れます。レーザーでは直線方向しか焼灼できませんが、APCでは側方の病変も焼灼可能です。

  3. マイクロ波凝固療法

    気管支内の腫瘍をマイクロ波で凝固します。止血しながら凝固できる特徴があります。

  4. 高周波スネア(ポリペクトミー)

    気管支内にできたポリープ状腫瘍を内視鏡的に切除します。

    高周波スネアにて摘出した気管の過誤腫

    治療前
    治療後
  5. 硬性気管支鏡下治療

    太い気管支の狭窄や閉塞を安全にまた一回の治療で開大することができます。気道ステント留置や異物摘出にも施行されます。

    中枢気道狭窄に対する硬性気管支鏡下治療
  6. ステント留置術

    中枢気道に腫瘍による狭窄や閉塞ができた場合に、呼吸困難の改善を目的として気道ステントを留置します。自己拡張型金属ステント(SEMS)は軟性気管支鏡下に、デュモンステントなどのシリコンステントは硬性気管支鏡下に留置します。

    各種気道ステント
    1. シリコン製ステント
      デュモン ステント
      TM ステント
    2. 金属製ステント (SEMS)
      スパイラル Z ステント
      ウルトラフレックス
    3. シリコンと金属の混合ステント
      ダイナミックステント
    気道ステント留置術
    • ステント留置前
      右完全無気肺
      気管分岐部
    • ステント留置後
      無気肺の改善
      気管分岐部
      右主気管支
      3D-CT
  7. 気管支異物摘出

    気管支内の異物を各種鉗子を用いて摘出します。軟性気管支鏡で摘出困難な異物は、硬性鏡を用いて摘出します。

    硬性気管支鏡による異物摘出 (皿の破片)

  8. 光線力学的治療法(photodynamic therapy: PDT)

    太い気管支にできた早期肺癌が適応となります。腫瘍選択的光感受性物質を投与後4時間目に低出力ダイオードレーザー(664nmの赤い光)を照射します。このレーザーは熱を発生しません。レーザーのエネルギーをもらった光感受性物質が光化学反応をおこし、活性酸素を発生します。この活性酸素が局所で腫瘍を破壊します。光感受性物質の唯一の副作用として皮膚日光過敏症が知られていますが、新しく開発されたレザフィリンは従来の光感受性物質に比較し非常に早く皮膚日光過敏性が消失します。

    talaporfin sodium(レザフィリン®)
    PDレーザ®
    PDTで治療した症例
    • PDT前
    • PDT後2ヶ月

    症例は77歳男性。左B10a-bcの分岐部に粘膜の肥厚所見を認めた。

    生検にて早期肺癌と診断した。治療後2ヶ月目の気管支鏡所見では分岐部は正常内視鏡所見を示し、生検でも癌の遺残はなく完全寛解が得られた。

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