診察実績(平成28年度)
  1. 外来患者数
    • 初診外来患者数 248名
    • 再診患者数 2,712名
    • 延患者数 2,960名
  2. 入院患者数
    • 新入院患者数 304名
    • 実患者数 401名
    • 延患者数 3,383名
    • 平均在院日数 10.2日
表1 診療実績ならびに検査
診療状況 H27 H26 H25 H24 H23 H22 H21
外来延べ患者数 2,851人 3,079人 2,904人 3,171人 3,657人 3,871人 4,050人
入院延べ患者数 4,351人 4,770人 4,354人 5,453人 4,460人 4,307人 4,978人
平均在院日数 14.1日 14.6日 18.0日 17.5日 14.2日 15.1日 15.1日
気管支鏡 82 67 92 110 145 157 107
経気管支肺生検 19 17 25 30 30 27 13
CTガイド下生検 3 0 2 6 5 3 0
外来診療実績

外来受診者のうち過半数が肺癌で、その他は主として肺良性腫瘍、気胸、縦隔腫瘍などの術後です。特に肺癌などの悪性疾患は再発あるいは新たな病巣が出現する危険があり厳重な経過観察が必要です。

外来検査実績

H27年度の気管支鏡検査は年間150件前後です。気管支鏡検査があまり増えていかない理由として、現在増加傾向にある末梢肺の小型肺癌に関しては、手術の際に診断と治療を同時に行う胸鏡腔鏡下肺部分切除術→胸腔鏡下肺葉切除術が増えたためと考えられます。

入院診療実績

H27年度、刺完全胸腔鏡下肺葉切除術を積極的に施行しています。原発性肺癌の半数は完全鏡視下肺葉切除を行なっています。

表2 主要疾患の年間手術数()は完全胸腔鏡下手術数
H27年 H26年 H25年 H24年
原発性肺癌 肺葉切除術 72(41) 46(36) 40(32) 48(36)
部分切術除 5(5) 10(10) 5(5) 6(3)
区域切除術 1(1) 6(4) 0 3
全摘術 0 1 1 3
転移性 肺葉切除術 3(3) 3(3) 2(1) 2(2)
部分切除術 4(4) 2(2) 0 4(4)
胸膜中皮腫 0 0 0 0
肺良性腫瘍 部分切除術 14 9(9) 3(3) 8(8)
気胸・嚢胞 部分切除術 14 19(19) 6(6) 19(18)
胸壁腫瘍・膿胸 1 13 1 3(2)
縦隔腫瘍 6 5 3(1) 8(6)
気道狭窄(ステント)、PDT、その他 28 26 15 13
総手術件数 148 140 76(42) 117(79)
呼吸器センター

平成16年11月2日、当院に新たに呼吸器センターが開設されました。従来の呼吸器科は呼吸器外科に、従来の内科(呼吸器グループ)は呼吸器内科として組織編成され、両者の医療業務をできるだけ統合し、無駄を省き、積極的に医療の迅速化、恒常化、レベルアップを図ることが目的です。

呼吸器科は昭和24年の当院開院以来、地域医療に貢献してきました。今後、呼吸器外科では、肺腫瘍、気胸、膿胸、胸部外傷、気道の狭窄や出血、胸壁や腫瘍などといった疾患に専念し、気管支喘息や肺気腫、慢性気管支炎、塵肺、急性上気道炎や気管支肺炎などの内科的疾患は呼吸器内科が担当します。

呼吸器センターでは、一つの外来で呼吸器外科と呼吸器内科が並列して診察できるので、どちらの科にいったらいいのか迷うことはなくなり、診療が迅速にスムーズになった。また、内科と外科の連絡や情報交換が密接になることにより、無駄な検査を省き、よりきめ細かな治療ができるようになりました。内科、外科の両者の立場から常に議論されより適切な治療が可能になりました。呼吸器センターでは、呼吸器系専門外来として地域医療の発展と向上に更に専心努力していく所存です。

肺癌の手術の治療成績

原発性肺癌切除例の治療成績は、5年生存率はIA期88%、IB期71%、IIA 期68%、IIB期65%、IIIA 期25%、IIIB期15%です(旧病期分類、本院の症例を含む)。多列検出器コンピュータ断層撮影(MDCT)で発見される淡い陰影を示す小型末梢型腺癌は術後の予後は良好です。縦隔リンパ節転移を見る場合は術前化学療法が行われることが多いです。

完全鏡視下肺葉切除術

末梢小型肺癌に対して積極的に完全鏡視下肺葉切除術(カメラで写した胸腔内をモニターで見ながら行う肺葉切除術)を行っています。創は、3〜4cmで、従来の開胸手術に比較し非常に小さく(写真)、術後の回復も早い低侵襲な外科手術です。

従来の開胸創
従来の開胸創
完全鏡視下手術
完全鏡視下手術
当科で施行している呼吸器インターベンション
レーザー焼灼術
高出力ダイオードレーザーを用い、気管支内の腫瘍や肉芽を焼灼。
アルゴンプラズマ焼灼
Argon Plasma Coagulator (APC)を用いて、腫瘍や肉芽を焼灼。レーザーに比べ焼灼能力は弱いが、安全性に優れる。レーザーでは直線方向しか焼灼できないが、APCでは側方の病変も焼灼可能。
マイクロ波凝固療法
気管支内の腫瘍をマイクロ波で凝固。止血しながら凝固できる特徴です。
高周波スネア(ポリペクトミー)
気管支内にできたポリープ状腫瘍を内視鏡的に切除。
硬性気管支鏡下治療
太い気管支の狭窄や閉塞を安全にまた1回の治療で開大することができます。気道ステント挿入や異物摘出にも施行されます。
ステント挿入術
中枢気道に腫瘍による狭窄や閉塞ができた場合に、呼吸困難の改善を目的として気道ステントを挿入します。自己拡張型金属ステント(SEMS)は軟性気管支鏡下に、デューモンステントなどのシリコンステントは硬性気管支鏡下に挿入します。
気管支異物摘出
気管支内の異物を、各種鉗子を用いて摘出します。軟性気管支鏡で摘出困難な異物は、硬性鏡を用いて摘出します。
光線力学的治療法(photodynamic therapy: PDT)
太い気管支にできた早期肺癌が適応。腫瘍選択的光感受性物質を投与後4時間目に低出力ダイオードレーザー(664nmの赤い光)を照射する。このレーザーは熱を発生しません。レーザーのエネルギーをもらった光感受性物質が光化学反応をおこし、活性酸素を発生し、この活性酸素が局所で腫瘍を破壊します。光感受性物質の唯一の副作用として皮膚日光過敏症が知られているが、新しく開発されたレザフィリンは従来の光感受性物質に比較し非常に早く皮膚日光過敏性が消失します。