診察実績(平成29年度)
  1. 外来患者数
    • 初診外来患者数 273名
    • 再診患者数 3,163名
    • 延患者数 3,436名
  2. 入院患者数
    • 新入院患者数 338名
    • 実患者数 469名
    • 延患者数 4,458名
    • 平均在院日数 12.1日
表1 診療実績ならびに検査
診療状況 H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23
外来延べ患者数 3,436人 2,806人 2,851人 3,079人 2,904人 3,171人 3,657人
入院延べ患者数 4,458人 3,306人 4,351人 4,770人 4,354人 5,453人 4,460人
平均在院日数 12.1日 10.2日 14.1日 14.6日 18.0日 17.5日 14.2日
気管支鏡 108 99 82 67 92 110 145
経気管支肺生検 38(EBUS18) 16(EBUS4) 19 17 25 30 30
CTガイド下生検 0 2 3 0 2 6 5
外来診療実績

外来述べ患者3,436名のうち約60%が肺悪性腫瘍で、その他は主として肺良性腫瘍、気胸、縦隔腫瘍などの患者様です。特に肺癌などの悪性疾患は再発あるいは新たな病巣が出現する危険があり厳重な経過観察を行っています。

外来検査実績

H29年の気管支鏡検査は108件, 径気管支支肺生検は20件でした。H28年から開始した縦隔リンパ節生検のEBUSは18件と昨年の4件から大幅に増加しました。気管支鏡検査はH27年より再び増加傾向にあります。現在増加傾向にある末梢肺の小型肺癌は径気管支支肺生検では診断が困難な場合が多く、その場合には手術の際に術中迅速診断を行い診断と治療を同時に行う胸腔鏡下肺部分切除術→胸腔鏡下肺葉切除術の術式が多くなっているため、軽気管支肺生検は、過去に比べ減少しています。

入院診療実績

29年の年間入院述べ数は4,458名で平均在院日数12.1日、127件の全身麻酔下手術を行いました。H27年は手術総数が過去最高でしたが、H29年はH28年に比べ9件の減少でした。肺悪性腫瘍手術総数は70例で、その内胸腔鏡下手術が37例(52.9%)と胸腔鏡下の手術の割合が増加しています。

表2 主要疾患の年間手術数()は完全胸腔鏡下手術数
疾患名 術式 H29年 H28年 H27年 H26年
原発性肺癌 肺葉切除 47 38 72 46
区域切除 3 4 1 6
肺部分切除 11 14 5 10
肺全摘術 0 0 0 1
気管癌 管状切除 1 1
転移性肺癌 肺葉切除 2 1 3 3
肺部分切除 6 2 4 2
胸膜中皮腫 胸膜肺全摘 0 0 0 0
肺良性腫瘍 肺葉切除 0 0 0 0
肺部分切除 8 11 14 9
気胸・嚢胞 20 16 14 19
胸壁腫瘍・膿胸 0 2 1 10
縦隔腫瘍 6 13 6 6
気道狭窄(ステント、PDT、その他) 18 32 28 28
総手術件数 126 135 148 140
呼吸器センター

呼吸器科は昭和24年の当院開院以来、地域医療に貢献してきましたが、平成16年11月2日、新たに呼吸器センターとして再スタートして13年が経ちました。

呼吸器外科では、肺腫瘍、気胸、膿胸、胸部外傷、気道の狭窄や出血、胸壁などの疾患に専念し、気管支喘息や肺気腫、慢性気管支炎、塵肺、急性上気道炎や気管支肺炎などの内科的疾患は内科(呼吸器)が担当しています。

呼吸器センターでは、呼吸器外科と内科(呼吸器)が連携して診察できるので、診療が迅速にスムーズに行うことができています。また、両科の連絡や情報交換が密接であるため、無駄な検査を省きよりきめ細かな治療ができるようになりました。お互いの立場から常に議論され、より適切な治療が可能になっています。呼吸器センターでは、呼吸器系専門外来として地域医療の発展と向上に更に専心努力していきます。

肺癌の手術の治療成績

過去のデータになりますが、原発性肺癌切除例の治療成績は、5年生存率でIA期88%、IB期71%、IIA 期68%、IIB期65%、IIIA 期25%、IIIB期15%です。MDCTで発見される淡い陰影を示す小型末梢型腺癌は術後の予後は良好です。縦隔リンパ節転移を見る場合は術前化学療法などの集学的治療が行われます。

従来の開胸創
従来の開胸創
完全鏡視下手術
完全鏡視下手術
当科で施行している呼吸器インターベンション
レーザー焼灼術
高出力ダイオードレーザーを用い、気管支内の腫瘍や肉芽を焼灼。
アルゴンプラズマ焼灼
Argon Plasma Coagulator (APC)を用いて、腫瘍や肉芽を焼灼。レーザーに比べ焼灼能力は弱いが、安全性に優れる。レーザーでは直線方向しか焼灼できないが、APCでは側方の病変も焼灼可能。
マイクロ波凝固療法
気管支内の腫瘍をマイクロ波で凝固。止血しながら凝固できる特徴です。
高周波スネア(ポリペクトミー)
気管支内にできたポリープ状腫瘍を内視鏡的に切除。
硬性気管支鏡下治療
太い気管支の狭窄や閉塞を安全にまた1回の治療で開大することができます。気道ステント挿入や異物摘出にも施行。
ステント挿入術
中枢気道に腫瘍による狭窄や閉塞ができた場合に、呼吸困難の改善を目的として気道ステントを挿入します。自己拡張型金属ステント(SEMS)は軟性気管支鏡下に、デューモンステントなどのシリコンステントは硬性気管支鏡下に挿入します。
気管支異物摘出
気管支内の異物を、各種鉗子を用いて摘出します。軟性気管支鏡で摘出困難な異物は、硬性鏡を用いて摘出します。
光線力学的治療法(photodynamic therapy: PDT)
太い気管支にできた早期肺癌が適応。腫瘍選択的光感受性物質を投与後4時間目に低出力ダイオードレーザー(664nmの赤い光)を照射する。このレーザーは熱を発生しません。レーザーのエネルギーをもらった光感受性物質が光化学反応をおこし、活性酸素を発生し、この活性酸素が局所で腫瘍を破壊します。光感受性物質の唯一の副作用として皮膚日光過敏症が知られているが、新しく開発されたレザフィリンは従来の光感受性物質に比較し非常に早く皮膚日光過敏性が消失します。
気管支塞栓術
難治性気胸などに対して、EWS(Endobronchial Watanabe Spigot)による気管支塞栓術も施行しています。