診療体制

当麻酔科はスタッフ4名(指導医1名、専門医1名、標榜医2名)おり、さらに集中治療部のスタッフ(指導医1名)と合わせて5人で中央手術室での麻酔管理、集中治療室での重症患者管理に24時間継続して従事しております。また当直体制においては救急外来における心肺蘇生処置などのアシストも行っております。

1)手術室業務:4人のスタッフによる麻酔科の体制は、2011年度からスタートしており、以来手術件数は年間約1600件にのぼっております。茨城医療センターは救急外来での患者を中心とした、緊急手術での麻酔管理も対応しており、2011年度は年間約240症例の緊急手術の麻酔管理を行っております。特に緊急性の非常に高いくも膜下出血等の脳卒中患者、交通外傷が原因の急性硬膜外血腫をはじめとした頭部外傷患者、そして血気胸や肝破裂など胸腹部内臓損傷の患者など多岐にわたる深刻な重症患者に対応しております。予定手術の中では、小児慢性特定疾患や慢性関節リウマチなどを中心とした骨変形の著しい患者に対する手術を年間40症例以上麻酔管理しております。そういった症例の方々は骨格の特徴を考慮して、気道管理を中心とした周術期管理を厳重にする必要があります。そのため術後管理を集中治療室で行うことも頻繁にあります。当センターは地域の様々な癌治療にも対応していることもあり、癌に対する手術の麻酔科管理症例は年間500件近くにのぼります。その内容は呼吸器系、消化器系、婦人科系、泌尿器や耳鼻科系など多岐にわたる疾患に対応しております。その中でこの地域でも当センターで特徴的に対応しているのが、肺癌や甲状腺癌などによる気道狭窄に対する手術治療です。これらの手術は狭くなった気道を広げるための手術ですが、もともと呼吸が困難な状態の方々ですので麻酔管理上も呼吸管理に難渋する場合が多くみられます。場合によっては体外循環装置を使用する症例もあります。また当センターでは多くの透析患者の管理をしており、そのため透析患者における予定手術や緊急手術も多く対応しております。その手術内容は癌疾患をはじめ、骨折、脳卒中、血行障害や四肢壊疽など透析患者特有の疾患も多く含まれております。こういった症例の方々は、腎臓以外に心臓や血液の性状に問題を抱えており、麻酔管理上の制限が多くあります。そういったことに対応するために、伝達麻酔の併用など麻酔方法も工夫が必要となります。以上のようなリスクの高い症例や特殊な条件の症例に十分に対応するように、麻酔方法を患者に適したものを選択する必要があります。そのために術前の情報を活用して、スタッフ一同で麻酔計画を検討するよう常に心がけております。現在、さらに術後回復を向上させる意味も兼ねてエコーガイド下末梢神経ブロックやIV-PCA(患者コントロール型経静脈鎮痛法)などを導入し、積極的な疼痛対策も行っております。

2)集中治療室(ICU)業務:当センターの集中治療室は、close型ICUといい、集中治療室のスタッフが中心となって24時間365日管理を行っております。症例は脳卒中、交通外傷など救急外来からの重症患者と、ハイリスク症例の手術や肺癌、肝臓癌や食道癌など侵襲の大きい手術の症例などを中心に対応しています。業務内容としては毎朝、麻酔科スタッフとICUスタッフの合同で検査結果のチェックを行い、治療方針の検討そして指示書き等を行っております。また当直体制としては、麻酔科スタッフとICUスタッフさらに外科医の協力を得て夜間の管理は行われています。ICUベッドは6床と決して多くはありませんが、基本的にはICUスタッフによるベッドコントロールが行われ、効率よくベッドは稼働しております。

以上麻酔科は麻酔管理業務と集中治療業務を中心として活動しておりますが、救急外来や一般病棟とも十分に連携しながら円滑な周術期管理と重症患者管理を心がけております。