特色

消化器内科グループは消化器疾患の患者さんの内科的診療を担っています。健診での指摘事項の精密検査、特殊な診断・治療を必要とする難しい消化器疾患、さらに緊急性を伴う消化器救急疾患まで幅広く診療を行っております。

外来診療

当科の外来診療は月曜から土曜まで(土曜日は第1・3・5週のみ)行っております。肝・胆・膵疾患の専門医、胃・小腸・大腸・食道など消化管の専門医が外来診療を行っております(診療日、担当医師名は別表の外来予定表をご覧ください。)。かかりつけの先生からご紹介いただくときは、当院医療連携室を通じて予約をお取りいただければ、お待たせすること無く診察させていただきます。現在外来については完全予約制への移行を目指しており、皆様のご協力、ご理解をお願いいたします「外来予約制への移行について」をご一読ください)。また、適切な診断、治療が済んだ後、状態に応じてかかりつけの先生に逆紹介をさせていただき、必要なとき再度ご紹介いただけるようにしたいと思います。また、かかりつけ医の先生と連携が必要な場合、積極的に連絡を取り合って役割分担をして診療させていただきます。

検査

消化器内科の主な検査(検査曜日と担当医師名は別表の外来予定表を御参照下さい)は、内視鏡検査(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸等)と、これら以外に放射線科と協力して行うCT, MRI、腹部超音波検査(肝臓・胆嚢・膵臓・骨盤内等)、造影検査などのレントゲン検査があります。小腸内視鏡、小腸カプセル内視鏡も積極的に行っております。内視鏡検査は胃癌や大腸癌の診断には欠かすことのできない検査であり、また、胆嚢癌や膵臓癌の疑われる患者さんであれば、入院の上内視鏡的に胆管造影や膵管造影などの検査を行います。肝疾患については、ウイルス性肝炎の活動性、進行度評価のためや、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変といった比較的まれな肝疾患の診断確定、さらに最近増加している非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の正確な診断をつける上で入院の上、肝生検を積極的に施行しています。また、肝臓の硬さを体の外から測定する機器(フィブロスキャン)を導入し、肝疾患の進行度を把握するのに役立てています。

治療

消化管、肝・胆・膵などの消化器疾患全般の診療を行っています。消化性潰瘍、炎症性腸疾患、慢性肝炎、肝硬変などの良性疾患に対する治療の主体は内科的治療となります。とくに下記の疾患の診療に力を入れています。

炎症性腸疾患

消化管疾患に関しては、当院では、とくに炎症性腸疾患の診療に力を入れております。潰瘍性大腸炎ではステロイド治療を行う前の早期の段階で白血球成分除去療法を行っており良好な成績を得ております。クローン病においては外来化学療法センターを利用しレミケード(TNF-α)療法などを施行しております。外来診療で早めの治療を心掛け、可能な限り入院を回避し患者さんがQOLの高い生活を送れるよう診療に当たっております。

慢性肝疾患

肝疾患に関しては、茨城県肝疾患診療連携拠点病院として、県南、県西、鹿行地域の専門病院と連携をとり、地域の肝疾患診療のレベルアップ向上をめざしています。また、患者さん向けに定期的に肝臓病教室を行っています。ウイルス性肝炎には、積極的に最新の治療導入を行っております。従来用いられてきたインターフェロンを使用しない治療法(インターフェロンフリー療法)が普及していますが、当院でも多くの患者さんに導入し成果をあげています。また、B型肝炎の患者さんに対する核酸アナログ製剤の使用も増加しています。また、これらの肝疾患の方のフォローアップ、とくに肝臓がんの早期診断のための画像検査を積極的に行っています。非代償性肝硬変の患者さんに対する栄養療法や合併症の管理についても力を注いでいます。

消化器救急疾患

地域の基幹病院としての役割を果たしており、救急疾患として、消化管出血、急性胆嚢炎、胆管炎、急性膵炎の入院が多く、入院患者のおよそ40%を占めています。消化性潰瘍などからの出血に対しては内視鏡的止血術(クリッピング、APCなど)、食道静脈瘤に対し、内視鏡的結紮術、内視鏡的硬化療法を積極的に施行しています。また、急性胆嚢炎については経皮的なドレナージ術を、急性胆管炎に対しては内視鏡的なドレナージ術を施行しています。急性膵炎の重症化例、重症肝不全、劇症肝炎は、集中治療室のバックアップを得て血漿交換やCHDFを行い治療にあたっています。

消化器癌の治療、診断、緩和医療

消化管悪性腫瘍に対しては内視鏡的治療を積極的に施行しています。早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、大腸ポリープに内視鏡的ポリープ切除術および内視鏡的粘膜切除術(EMR)を1泊入院にて施行しております。

肝癌に対しては肝切除が可能な症例は積極的に外科に紹介するほか、当科独自でラジオ波焼灼術(RFA)、エタノール注入療法(PEI)を施行しており、また、経動脈的肝動脈塞栓術(TACE)などを放射線科の協力を得て施行しています。TACEについては、放射線科に新たに治療医が加入し、同医師の得意分野であるマイクロビーズを用いた塞栓術を施行する症例が増えています。また、動注リザーバーの造設が可能になり、他の治療で難渋する症例に対する動注化学療法の機会が増加しています。肝癌に対する分子標的薬の投与症例数も増加しており、経験が蓄積されています。さらに、他の合併症のため治療が困難な肝癌患者さんに対して当院の最新設備を用いた放射線照射を施行しています。本疾患は多くの領域にわたる集学的治療が必要な疾患ですが、当院は外科、内科、放射線科、病理を含め完全にこれに対応できる体制を整えています。

閉塞性黄疸に対する内視鏡的、経皮経肝胆道ドレナージやステント留置、胆管結石に対する内視鏡的乳頭切開術などを施行しています。化学療法(抗ガン剤)を悪性腫瘍に対して行う場合、入院にて導入し在宅治療を目指し、外来化学治療法センターを利用し通院治療ができるようはかっています。また、癌性疼痛のコントロールや合併症に対する処置などの緩和医療に積極的に取り組んでいます。

入院治療に際しては、検査や内科的治療を施行する場合、極力入院期間を短縮しております。当診療科の平均入院期間は約2週間です。患者さんにとってQOLを優先し、優しい医療を提供するよう心がけ、患者さん本意の診療を基本に診療を行っております。

主な対象疾患

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、胃炎、腸炎、食道静脈癌、胃静脈癌、消化管ポリープ(胃ポリープ、大腸ポリープなど)、消化管腫瘍(食道がん、胃がん、大腸がんなど)、急性肝炎、劇症肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がん、肝内胆管がん、脂肪肝、転移性肝腫瘍、総胆管結石、胆石胆のう炎、急性膵炎、慢性膵炎、膵がん、胆管がん。

研究・学会活動

共同研究利用センターが新設され、基礎研究を行う環境ができました。茨城大学農学部と共同研究の連携締結がなされ、今後、基礎と臨床の橋渡しとなる研究が行われています。消化器生活習慣病を中心に脂質・胆汁酸代謝の研究、脂質代謝からみた肝癌発癌機序の研究、臓器相関からみた消化吸収の研究などを進行させています。これら脂質臨床研究では、我々のグループでしか測定できない質量分析装置を用いた高感度のバイオマーカー分析は大きな研究の武器であります。