主な対象疾患
1)脳卒中
急性期における迅速な病型診断と治療、ならびにリハビリテーション科との連携による早期からの積極的なリハビリテーション導入により、機能予後の改善に努めています。また、脳梗塞超急性期のt-PAによる血栓溶解療法にも積極的に取り組んでいます。慢性期には再発予防のための適切な投薬とともに、リスクファクターの評価と厳重な管理を行うことにより、最も有効な二次予防に努めています。
2)頭痛
片頭痛や緊張型頭痛など頻度の高い慢性頭痛から、薬物乱用頭痛や低髄液圧症候群などの特殊頭痛まで、正確な診断と適切な治療法の選択により、高い治癒率を達成しています。頭痛外来を開設し、当科外来初診患者の約4割を頭痛患者が占めます。
3)てんかん
各種発作型の正確な鑑別と、病型に応じた適切な抗てんかん薬の投与により、発作の抑制と社会生活支援を行っています。
4)脱髄性疾患
代表的疾患が多発性硬化症です。急性増悪期におけるステロイド療法と、寛解期におけるインターフェロン自己注射療法、各種の免疫療法を実施しています。
5)変性疾患
@アルツハイマー病、びまん性レビー小体病などの認知症を主体とする疾患、Aパーキンソン病、進行性核上性麻痺などのパーキンソニズムを中心とする疾患、Bハンチントン病、痙性斜頸、本態性振戦など不随意運動を中心とする疾患、C脊髄小脳変性症、D筋萎縮性側索硬化症などの運動ニューロン疾患が対象です。詳細な神経学的所見、MRI、SPECTなどの画像検査、神経生理学的検査などから診断を確定し、適切かつ最適な治療法を提供しています。
6)末梢神経疾患
ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群などの免疫性ニューロパチー、遺伝性ニューロパチー、糖尿病や尿毒症などの全身疾患に伴うもの、各種ビタミン欠乏性ニューロパチー、手根管症候群などの絞扼性ニューロパチー、Bell麻痺など多岐にわたります。また、眼瞼痙攣や顔面痙攣に対するボツリヌス療法を行っています。
7)筋疾患
多発性筋炎、筋ジストロフィー、ミトコンドリア病、甲状腺疾患などの内科疾患に伴うミオパチーなどがあります。神経生理学的検査、血液生化学検査、筋生検などを組み合わせ、診断・治療を行います。
8)炎症性疾患
ウイルス性および細菌性髄膜炎・脳炎を中心に、結核性髄膜炎、プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病)などの診断と治療を行っています。
その他、Wilson病や副腎白質ジストロフィなどの先天代謝性疾患、内科疾患に伴う神経障害、頸椎症などの脊椎疾患など、脳・脊髄、末梢神経、自律神経、筋の異常に由来する神経疾患全般に対し診療できる体制を整えています。
当科の地域医療連携コンセプト

2011年以降、当科の紹介率は60%以上、逆紹介率は70%以上を維持しています。脳卒中の急性期治療は当科で、慢性期の継続診療はほぼ例外なく近隣医療機関にお願いする病診連携を確立しています。また、病状が安定していれば、多発性硬化症に対するインターフェロン自己注射や変性疾患のフォローもお願いし、必要に応じて適宜当科が対応する体制としています。在宅療養中の神経難病や各種疾患による重度要介護認定者のレスバイト入院にも対応いたします。