放射線科で受ける検査に危険はないでしょうか?
放射線を用いる診断は非常に広く行われています。胸のエックス線写真をお撮りになった方も多いでしょう。こちらの放射線量は通常は少なく、この少ない線量での2次的発がんは確認されていません。通常の放射線検査では、発がんの危険性は十分に小さく、一般の事象のリスク(例えば喫煙や交通事故など)に比べても小さいことがわかっています。また医学における放射線検査では検査を受ける本人が直接利益をもらうことになりますので、それとのバランスを考えたら受けることがずっと得になります。従って症状があり医療機関でエックス線写真を撮るように言われた場合は心配せずに受診して下さい。
ただ一つだけ問題になることは妊娠可能な女性の骨盤部の検査です。検査する医師は十分注意するとは思いますが、患者さんも遠慮なくその点を医師に確かめて見て下さい。妊娠している可能性が高い場合は、どうしても行わなければならないエックス線検査以外は他の方法で行うよう国際的にも勧告されているからです。
放射線被曝との関連で最も問題となる検査は検診における放射線診断です。この場合は健康な人々を対象に行うものですので、検査で得られる利益と生ずるリスクのバランスが問題になることがあります。この点については専門家の間で検討が進められており、例えばがんの検診などはあまり若い人達には受診するよう勧めておりません。
以上をまとめますと、何か症状があって医療施設にゆきエックス線検査を受けて下さいと言われた時は心配しないで受けて下さい。ただし、何か気になることがあったら遠慮なく医師に質問して頂きたいと思います。
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CTとはどんな検査でしょうか?
CTはコンピュータ断層法(computed tomography)の略です。 コンピュータを使って身体の輪切り(断面=断層面)をみる装置です。CTではエッ クス線を使います。ただし、いままでのエックス線撮影と違い、目的の断層面以外には殆どエックス線がかかりません。
ふつうのCT検査では、一つの面をスキャンするのに1秒〜数秒かかります。その間に身体が動くと画像が乱れるので、じっとしている必要があります。とくに腹部や 胸部の検査では、その間息をとめてなければなりません。そして目的の部位(例えば肝臓など)を漏れなくカバーするために,少しずつ位置をずらして何回かスキャンをします。また、最近では、断面を一枚ずつ検査するのではなく、目的の範囲をらせん 状に一回のスキャンで検査する方式も実用化されました(ヘリカルスキャンといいます)。この方法ですと今までの方式よりもずっと短時間(数十秒)で検査を終えることが可能です。
なお、部位によっては、検査の前に絶食が必要なことがあります。また、場合によっては、血管や病巣をわかりやすくするために、造影剤という薬剤を静脈のなかに注入してからCTをとる場合もあります。
CTはたくさんある画像診断法のなかでも、いまや中心的な検査となっています。
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造影剤とはどのようなものですか?検査に必要なものですか?
造影剤とは、病変をより明瞭に描出し、正確な診断をするために必要な薬です。 造影剤を使うと、わかりにくい病変もたいへん明瞭に描き出され、診断が容易になります。このため、CT検査では、脳に限らず全身の臓器の検査において、しばしば造影剤が使われています。
最近では造影剤の効果を増強するため、造影剤注入器で急速に注入することも多く行われています。
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MRIとはどんな検査ですか?危険性は?
MRIとはMagnetic Resonance Imagingの頭文字をとったもので磁気共鳴診断装置のことです。
人間の体の中を映し出すための磁石ですが、その強さは肩こりなどで皮膚に貼る磁石と同じか、その10倍程度です。また、電磁波というとなにか恐ろしいように聞こえますが、無線やラジオ、テレビの電波と同じ種類で、磁石と同様に人体に悪い影響を与えるものではありません。ただし、心臓のペースメーカーを装着している人の場合には影響が懸念されますのでMRI検査はできません。また、テレホンカードなどの磁気カード、キャッシュカードあるいは時計などは使えなくなってしまうことがあり、鉄などの強磁性体は磁石に引っ張られますから、検査室に持ち込まないようにしてください。
一見したところ、MRI装置はCTに似ていますが、人間のはいる部分が長く、小さなトンネルのようになっています。それとトントントンという音がするために何となく不安になる方もいますが、痛くも痒くもない検査で、しかもCTのような放射線被曝もありませんからリラックスして検査を受けてください。
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血管造影とはどのような検査ですか?
血管造影とは。直径2mm前後のカテーテル(細いポリエチレンなどのチューブ)を動脈や静脈に挿入して目的とする血管に進めてその血管を撮影する検査です。この場合カテーテルから造影剤と呼ばれるヨード製剤を注入して血管がエックス線写真に写るようにします。
一般のエックス線検査やCT、MR、超音波検査に比べると血管内にカテーテルをいれるわけですから多少の痛みを伴いますが、あらかじめ局所麻酔などを行ってから行いますので,それほど苦痛はありません。カテーテル挿入も経皮カテーテル法(皮膚を切開せずにカテーテルを体内に入れる)と呼ばれているテクニックを使いますので、外科的な方法で切開する必要はありません。
造影剤を注入する際には多少の熱感を伴いますが、現在は刺激の少ない造影剤にすべて代わりましたので、苦痛を伴うことは少なくなっています。
最近は血管撮影の技術を使って血管の狭い部分を拡げたり、閉塞している部分を開 通させたり、がんなどの悪性腫瘍を治療するため抗がん剤を注入したり、腫瘍を栄養にしている血管を遮断したりすることも行われるようになってきています。
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超音波検査はどのような検査ですか?
「超音波」とは空気の振動する回数が、人の肉声に比べて非常に大きい、20,000 ヘルツ以上の音のことをいいます。周波数が高いと音は光の性質に似て、まっすぐ進む性質をもっています。また、人間の耳には聞こえない音となります。
超音波がまっすぐに進む性質を利用して、生体の中にある反射体、ここでは肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、胆嚢、子宮、卵巣、前立腺、甲状腺、乳腺などの内臓を描出します。医学に超音波を利用する最大の利点は、超音波がほとんど無害であり、診断装置自体も小型なため、患者さんと医師、技師が直接相向き合って、その場で病気を見つけていくことができることにあります。超音波は空気中をやや伝わりにくいという性質があるため、体の表面にゼリーを塗って空気を遮断して検査をする必要がありますが、 患者さんへの苦痛などの負担はありません。超音波診断は安全であり、妊娠の疑いのある人や、妊婦に対しても安心して検査を行うことができます。また、超音波検査は我国では非常に安価でもあります。
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核医学検査とは何ですか?被曝の危険性はないですか?
核医学検査は病院によっては「アイソトープ」検査と言ったり、「同位元素」検査とも呼ばれたりしていますが、同じものです。患者さんはアイソトープを注射するか、飲んだりした後、そのアイソトープの体内での分布を「ガンマカメラ」で撮影し、その写真を見ながら診断します。
アイソトープとは,放射能を出しながら別のものに変わる性質をもつもので、このアイソトープの出すわずかの放射能を利用して病気の診断をするのが核医学検査です。アイソトープの出すごくわずかの放射能を利用しているので、患者さんへの放射能被曝がほとんどなく、しかも副作用もほとんどないというのが特徴です。
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放射線治療には副作用はありませんか?
放射線の副作用には、放射線治療している期間における副作用(急性放射線障害)と放射線治療終了後しばらくしてから生じる副作用(晩発性放射線障害)があります。
急性の副作用は一時的なもので、大半の症状は強くはありません。大事なことは、 放射線治療がなされている部位のみに副作用が生じ、照射されていない部位の症状は 出現しないことです。従って、例えば口腔内に放射線治療をされても下痢は発生しません。
晩発性の副作用が生じる可能性は非常に低いです。放射線治療後も定期的に診察を受けて下さい。
子供の場合には晩発性障害として成長障害があり得ます。例えば、放射線治療を受けた骨は、治療を受けていない骨と比べ成長が悪くなりますので放射線専門医から説明を良く聞いてから治療を受けて下さい。
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放射線治療の付き添いの人が放射線をあびることはないのですか?
通常の照射の場合(外照射)、放射線治療室の外では、放射線治療を受けている患者さんのそばにいても、周囲の方に対しては全く影響がありません。また、患者さんから放射線が出るようなことはありませんので御安心下さい。
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放射線治療を受けるために紹介されて来ました。前の病院でも同じような検 査(CT・MRなど)をましたが、また同じ検査をしなくてはいけないのでしょうか?
当病院のCTやMRは放射線治療計画のために特別な機能を持つように改良されたもので、治療計画を立てる上で無くてはならないものです。したがって、以前に他院でCTやMRを撮影されたことのあるかたでも、再びこの装置で検査を受けなおして頂きます。
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放射線治療で最初につけた皮膚のしるしはどうなりますか?
治療期間中は消さないように注意していただいた皮膚のしるしは、放射線治療終了後は消えても差し支えありません。しかし、皮膚が弱っていることも多いので、無理にこすらず、自然に消えるのを待ちましょう。
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放射線治療の効果はいつ頃から出るでしょうか?
病気の種類によって治療開始後間もなく効果の現れるものから、治療が終って1〜2ヶ月してから現れるものまで色々です。詳しいことは担当の医師にお尋ね下さい。
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放射線治療は一度しか受けられないのですか?
部位が異なる場合は必要に応じて何回でも受けることができます。しかしながら同一部位には原則として一度しかできません。これは正常組織の障害を防ぐためです。
例外としては全脳照射後のラジオサージャリーなどがあります。詳しくは担当の医師 にお尋ね下さい。
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