地域がん診療連携拠点病院の指定にあたって

東京医科大学茨城医療センターは茨城県の推薦に基づき、厚生労働大臣から平成19年1月31日付で、地域がん診療連携拠点病院に指定されました。地域がん診療連携拠点病院は、質の高いがん診療を全国で等しく実施できるようにするため、わが国に多いがん(肺がん・胃がん・大腸がん・乳がん等)について、各地域におけるがんの連携・支援を推進するために拠点として設けるもので、県の推薦により、保健医療圈ごとに厚生労働大臣が指定するものです。平成18年12月27日現在で、全国で都道府県がん診療連携拠点病院は15施設、地域がん診療連携拠点病院165施設、合計180施設が指定されておりました。今回新たに平成18年度の追加指定として、130施設が全国から推薦されそのうち118施設が新たに指定されました。平成19年1月現在で、都道府県がん診療連携拠点病院は32施設, 地域がん診療連携拠点病院254施設、合計286施設ががん診療連携拠点病院として国から指定されたことになります。

本県は9医療圏があり、すでに4医療圏においてがん診療連携拠点病院が指定されておりましたが、今回新たに3病院が追加指定されました。もともと、本件は一極集中がんセンター方式をやめ分散型がんセンター方式をとり、すでに4病院が地域がんセンターとして機能しておりました。そこで、これらの医療圏でカバーできない地区に拠点病院を配置することとなり、取手・竜ヶ崎医療圏の中で当院、東京医科大学茨城医療センターが地域がん診療連携拠点病院として指定されました。

拠点病院が果たすべき役割については次のとおりであります。

  1. 診療体制として
    1. 我が国に多いがんについて、専門的医療体制を有すること
    2. 緩和医療を提供する体制を有すること
    3. 地域の医療機関からの診療に関する相談に応じること
    4. 患者からの相談に適切に対応できる医師が配置されていること
    5. 院内がん登録システムが確立していること
  2. 研修体制が整備されていること
  3. 情報提供体制 (HPなどと通して)ができていることなどが条件となっています。

当院においては、2,3については教育機関として当然の事項であり、1の診療体制が一番整備としては重要課題であります。がんの専門的医療体制については大学病院という性格上、従来からしっかりと行ってきていたことは当然のことであります。各分野の専門医がより、診療ガイドラインに準拠した標準的がん治療を目指してがん診療を行っております。特に、平成17年度より、外来化学療法センターが稼働しており、各種がんの化学療法を外来にて行っております。緩和医療に関しては、平成16年より緩和ケアチーム運営委員会が立ち上がり、がん診療に精通した医師、専門看護師と緩和ケアチームを作り、協力体制のもと診療を行っています。また緩和ケア診療加算の施設基準算定もすでに行っております。

本病院は積極的に健康医療・福祉の地域貢献をはかることを前提として、地域住民のための質の高い医療とヘルスケアの実現を目指しております。本病院に併設された地域医療連携室を核として、院内において全職員での地域支援体制の確立を計っています。地域医療連携室が患者・市民・かかりつけ医への窓口となっています。さらに地域医療医機関・住民に対し、公開講座も頻回に開催し啓発活動を積極的に行っております。また大学病院として、地域中核病院、病院、診療所間との連携、患者紹介、セカンドオピニオン外来の設置、検査や画像診断の受託なども行っております。今後遠隔画像診断支援システムを取り入れ、地域支援連携を行っていく予定であります。これらにより大学病院としての高度な診断、医療技術の提供、医療機関間の情報交換、患者さんの長期的な追跡と医療の改善、より良い福祉の提供を進めているところであります。さらに患者さんとの相談に関しては、やはり医療・福祉相談室が設けられ多方面から。にお患者さんの相談にソーシャルワーカーなどが中心となり行っています。がん登録に関しては、茨城県のがん登録を行っており、院内独自の登録システム構築を平成19年度に立ち上げ、がんの動向が明確となるようにしております。

単に病気の治療を受けることにとどまらず、個人の生き甲斐のもとに元気で長寿を全うすることは国民の究極の願いであります。私どもは市民の利益を第一に考えた質の高い保健・医療・福祉サービスを実現することを目指して行こうとしております。これまで同様にかかりつけ医との連携を密にとり、在宅医療でのがん診療も取り入れいく方針であります。生活習慣病を絡め、院内全面禁煙などがすでにスタートしており、さらにがんの一次予防を徹底させ、高齢者のADL・QOLを高め、医療費削減のために本医療圏を茨城県下のモデル地域とし、がんを含めた成人病予防対策事業を進めていこうと考えております。地域の特性を生かした科学と健康福祉の連携をはかりたいと考えております。

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