診療内容

内視鏡センターでは、内科(消化器)、外科(消化器)の医師により年間で上部消化管内視鏡検査を約2,600件、下部消化管内視鏡検査を約1,500件、胆道系検査を約150件行っています。消化器癌においては早期発見・早期治療を心がけており、検査法としては経鼻内視鏡、治療法としては切開剥離法の導入などを積極的に行っております。また、これまで十分な検査ができなかった小腸病変に関してもカプセル内視鏡やダブルバルーン小腸内視鏡を導入し積極的な検査を行っております。

当センターにて施行している内視鏡検査・治療の一部をご紹介します。

小腸内視鏡検査

これまで小腸は未知の消化管といわれ詳細な観察のできない部分でした。しかしカプセル内視鏡、ダブルバルーン小腸内視鏡の登場で、小腸にはこれまで考えられていたより以上に多彩な病変があることがわかってきました。ここではカプセル内視鏡とダブルバルーン小腸内視鏡について、比較も交え簡単にご説明します。

適応の比較
適応(カプセル内視鏡)
  • 原因不明の消化管出血
    (胃内視鏡や大腸内視鏡で原因不明の消化管出血では小腸の検査としてカプセル内視鏡を行います)
適応(ダブルバルーン小腸内視鏡)
  • 出血
  • 小腸狭窄
  • 小腸腫瘍
  • Crohn病
  • 膵・胆道疾患(胃切後のERCPなど)
  • 異物除去
  • 腸閉塞の原因検索
  • 腸重積
  • 大腸内視鏡挿入困難例
カプセル内視鏡との比較
カプセル内視鏡
  • 苦痛がない
  • 自動撮影
  • 解像度が低い
  • 観察のみ
ダブルバルーン小腸内視鏡
  • 鎮静が必要
  • 自由に撮影
  • 解像度が高い
  • 生検・治療ができる

実際の画像

当センターで施行した小腸腫瘍の症例です。

このように大変詳細な観察が可能です。

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経鼻内視鏡検査

今まで内視鏡検査を受けたくてもためらっていた患者様に対して「楽な内視鏡検査」を受けていただくため、私どもの施設では県南地区では初めて、フジノン東芝ESシステムが開発した極細径タイプの上部消化管用スコープを導入いたしました。

経鼻内視鏡の 適応症例
健診などのスクリーニング検査
咽頭反射(嘔吐感)が強い患者様
開口障害がある患者様
経鼻内視鏡の 否適応症例
精密な観察、検査・治療手技が予想される患者様
強い疼痛(鼻腔)を訴える患者様
高度の鼻腔狭窄・変形がある患者様
極細径スコープでの胃・内視鏡検査のメリット
スコープが舌の根元(舌根)に触れることで、咽頭反射(嘔吐感)が起こります。鼻からの挿入でこの問題が解消しました。
スコープはFTS社製で、従来の半分の5.9mmの細さです。更に、鼻に適したしなやかさでむりなく、スムーズな挿入ができます。
鼻への麻酔も微量で、身体への負担が軽減されます。
患者さんは、モニターに映し出される自分の胃の映像を見ながら、医師にその場で質問ができます。
患者さんは検査中にしゃべれるため、安全な検査につながります。

現在、経鼻内視鏡は、上部消化管のスクリーニング検査や、安定した病態の経過観察おいて有効な手段と考えられています。今後はスコープや処置具の進歩により、治療内視鏡においても安全で有効な手段となっていくことでしょう。今後も、私どもは経鼻内視鏡をはじめ、地域住民の皆様に、安全で最新の医療を提供していきたいと考えております。

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内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

早期胃癌の治療法として、従来より内視鏡的粘膜切除術(EMR)が広く行われています。早期胃癌と一言に申しましても、すべての症例が内視鏡的に切除できる訳では有りません。そこで、2001年には日本胃癌学会の「胃癌治療ガイドライン」においてその適応が提示されました。基本的には、リンパ節転移が無く、一括切除ができることが条件となっています。具体的な条件のなかに、腫瘍の大きさが2cm以内とありますが、これは従来より行われているEMRという方法では一括切除できる大きさが2cmが限度であることによるようです。一括切除できなければ術後の再発率が高くなってしまい、2cm以下という項目ができたものと思われますが、転移が無いだけならば実際もっと大きな病変もあることが解っています。そこで近年開発された、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が注目されています。この方法では2cm以上の大きな病変でも一括切除することが可能であり、今まで外科的に胃を全摘していたような病変に対しても内視鏡的に切除できるようになりました。当科におきましてもH16年2月より導入し、現在まで約140例に施行し、良い結果を残しております。

ESD施行例

写真
  • A. 不整な粘膜を認め、ESD施行可能な早期胃癌と診断しました。
  • B. ESDにて病変を切除しました。
  • C. 約35mmの切除標本です。一括切除出来ています。
  • D. 約2ヶ月で瘢痕化し、治癒しました

現在、経鼻内視鏡は、上部消化管のスクリーニング検査や、安定した病態の経過観察おいて有効な手段と考えられています。今後はスコープや処置具の進歩により、治療内視鏡においても安全で有効な手段となっていくことでしょう。今後も、私どもは経鼻内視鏡をはじめ、地域住民の皆様に、安全で最新の医療を提供していきたいと考えております。

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