皆さん初めまして。産婦人科科長の藤村です。

当院は、土浦市から車で15分程の「阿見町」にあります。霞ヶ浦湖畔の高台にあり、太平洋戦争中には土浦航空隊の飛行場があった跡地に開院して60年以上の歴史を有している病院です。当科へは、阿見町からのみならず、隣接する土浦市、つくば市、龍ケ崎市、稲敷郡、そして東は潮来市や鹿行地域から、さらに遠くは水戸市、ひたちなか市、日立市、高萩市に至る県内広域から沢山の患者様においで頂いています。

今般当院は社会的に許されない事件を引き起こし、厚生労働省から「保険診療取消」の厳しい処分を受けました。その後、保険診療の再開を認めては頂きましたが、地域への貢献と信頼の回復を条件としての再認定となりました。当科は、茨城県周産期救急医療協力病院の指定を受けており、地域の一般的な産科医療にのみならず、合併症を有する妊婦さんや、一般の病院では管理の困難な「中リスク」の妊婦さんまでを診療させて頂く事を通して地域に貢献したいと考えています。

また、婦人科腫瘍・婦人科がん診療では地域のみならず県内広域より多数の患者様の紹介を頂き、各種がん治療ガイドラインをベースに、evidenceに基づいた診療を提供しています。特に、がん診療の根本となる病理診断には力を入れており、当院常勤の病理専門医と婦人科病理を得意とする婦人科腫瘍専門医が高い精度で診断を行い、その診断に基づいて治療を提供しています。また、がんに対する治療が難しい段階になられた場合であっても、患者さんが「その人らしく生きる」ことを最優先に考えた、緩和医療・ケアを提供しています。こういった「患者さん本位の」医療を実現するためには、患者さんが自身の病気や状況を良く理解し、患者さん自身が治療法について考え、どのような治療法を選ぶのかを自分で判断できる様に、我々医療従事者が患者さんに 寄り添い、納得が行かれるまで説明・情報提供し、そして患者さん自身が選ぶ事の出来る選択肢を提示していくことが大事だと考えています。患者さんが笑顔を取り戻されることを目標に、スタッフ一同努力してゆきたいと思っています。