無痛分娩について
当院で採用している無痛分娩は「硬膜外麻酔」という方法です。これは分娩の痛みを和らげる方法の中で最も効果的な方法です。硬膜外腔に留置したカテーテルにより局所麻酔薬を投与する方法で、この方法でお産の痛みを和らげる分娩を硬膜外無痛分娩といいます。
無痛分娩の流れ
実際の麻酔の仕方としては、以下のような手順で行ってまいります。
- 分娩台の上で横向きになり背中を丸める
- 背中を消毒し、腰の辺りに局所麻酔をする
- そこから針を刺し、細いビニールの管(カテーテル)を挿入
- カテーテルが入ったら針を抜く
- そのカテーテルから麻酔薬を注入し痛みをとる(必要に応じて適宜追加する)
分娩中は、定期的な血圧の測定と胎児心音のモニタリングを行います。緊急帝王切開に備えて、禁飲食となる場合もあります。
無痛分娩FAQ
- Q1
- 自然分娩と比べて良いところは何でしょうか?
- A1
- 硬膜外麻酔の場合、他の痛み止めの方法より効果が確実で、胎児への直接的な影響を認めず、また分娩後の回復が早く体力が温存できるといった点があります。
- Q2
- デメリットはありますか?
- A2
- 麻酔の効き具合によっては陣痛が弱まってしまう可能性があります。
- Q3
- 何割くらいの方が無痛分娩を希望されますか?
- A3
- 妊婦さん全体では1割くらいの方が希望されますが、中には無痛分娩をやっているということでわざわざ当院を選んで来て頂く方もいます。
- Q4
- 無痛分娩を希望しているのですがどうしたらいいでしょうか?また里帰り出産なのですが、可能でしょうか?
- A4
- 通院されている方は担当医にご希望をお伝えください。30週くらいまでにその旨お伝えください。
一週間あたりの件数が決まっているため、ご希望に添えない場合もあります。
- Q5
- 無痛分娩が向かない人はいますか?
- A5
- 一般的に脊髄疾患や血液疾患のある方はできない可能性がありますが、一度担当医にご相談ください。
- Q6
- 赤ちゃんへの影響はありますか?
- A6
- 赤ちゃんへの影響は認められませんが、微弱陣痛のため分娩が遷延する可能性があります。
- Q7
- 産後の影響はありますか?
- A7
- 入院期間が通常よりも長くなる可能性があります。(通常の入院期間は約6日間です)
- Q8
- どのくらいの費用がかかりますでしょうか?
- A8
- 無痛分娩は保険適用外の処置になります。費用は「分娩費用+6万〜」程度が目安です。また入院期間が長くなる可能性があるため、その分、分娩費用が高くなる可能性があります。