部位別適応比較
MRI・CT・RI・US検査の部位別適応比較
部位 | 病変・診断目的 | MRI | CT | RI | US | 備考 |
頭部 | 出血 | ○ | ◎ | ○ | △ | 急性期の出血の識別はCTが優れています。 |
梗塞 | ◎ | ○ | ○ | × | 梗塞の早期発見はMRが優れています。 | |
腫瘍 | ◎ | ○ | ○ | △ | MRは病巣の立体的把握に優れています。 | |
変性疾患 | ◎ | ○ | × | × | MRはコントラスト分解能の良さが現れます。 | |
骨折 | × | ○ | × | × | 骨そのものの情報を得るのにはCTが有用です。 | |
脳血管の描出 | ◎ | ○ | × | △ | MRでは造影剤を使用せずに血管の描出が可能です。 | |
認知症 | ○ | △ | ◎ | × | 認知症の診断には、RI・MRが有効です。 | |
甲状腺 | 腫瘍、嚢胞 | ○ | ○ | ○ | ◎ | 表在に近いため、主要の形態診断には超音波が有効です。機能検査は、RIで行います。 |
心臓 | 心内腔、心筋の描出 | ○ | △ | ◎ | ○ | RIにより心内腔、心筋の抽出が可能です。 |
心機能計測 | ◎ | ○ | RIにより心機能の解析が可能です。 | |||
肺野 | 腫瘍 | △ | ◎ | ○ | × | CTはヘリカルスキャンにより微小肺癌の発見率が高くなります。 |
肺血流分布 | × | ○ | ◎ | × | ||
腹部臓器 肝臓 胆嚢 |
腫瘍 | ◎ | ◎ | × | ◎ | 腹部は撮影時間の短いCTの方が優れていますが、MRも高速撮像の進歩と造影剤の使用で、疾患によってはCTを凌ぐ検査が可能です。(胆道系は安価で信頼性の高い超音波が有利です。) |
脂肪肝 | 〇 | ◎ | × | ◎ | MRCPは、胆嚢・胆管・膵画像診断法です。 | |
胆石 | ◎ | ○ | × | ◎ | ||
総胆管結石 | ◎ | ○ | × | ◎ | ||
骨盤内 | 腫瘍 | ◎ | ○ | × | ○ | 卵巣腫瘍や子宮筋腫の診断には、MRIが有効です。 |
骨 | 腫瘍 | ◎ | ◎ | ○ | × | 軟部腫瘍の描出はCTよりMRの方が優れています。但し骨の破壊についての情報ではCTが有利です。 |
癌の転移巣発見にはRIの骨シンチが適しています。 | ||||||
関節 | 半月板、靱帯損傷、リウマチ | ◎ | ○ | × | △ | MRIは、関節内の病変を明らかにします。 |
脊髄 | 腫瘍、変性、脊髄損傷 | ◎ | ◎ | × | △ | MRでは矢状断面の画像により、骨に囲まれた脊柱管内の構造が明瞭に観察でき、椎間板ヘルニアの診断に有効です。 |
脊柱管狭窄症 | ◎ | ○ | × | × | ||
末梢血管・頸部動脈 | ◎ | 比較的浅い部位に存在する血管の描出に適しており、カラードップラーにて血流の評価、塞栓等の観察に適しています。また、動脈硬化の評価には、頚部動脈の観察が有用です。 |