脳神経外科
特色
当院脳神経外科は年間500件強の入院治療と、内300件弱の手術加療を行なっております。扱っている疾患は「脳腫瘍」、「脳血管障害」、「頭部外傷」、「機能的外科疾患」です。なお、地域的に救急診療を要する疾患が多く24時間の救急診療態勢をとっています。また、研修医の卒後教育、研修の場となっております。
医療設備
ヘリカルCT、MRI(1.5T)/MRアンギオ、DSA脳血管撮影、脳血流シンチグラムなど診断に有効な設備が整っております。治療機器はより安全な手術を行なうべく、術中ナビゲーションシステム・血管蛍光造影(ICG)・神経生理学的モニタリング機器を有しております。放射線治療に関しては病変部位に対してできるだけ集中的に照射するリニアック定位放射線治療装置があります。
治療内容
脳腫瘍では髄膜腫、神経鞘腫など良性脳腫瘍に対し各種モニタリングを用い機能予後を優先する手術を行ないます。転移性腫瘍など悪性腫瘍に対しては手術だけでなく放射線治療等の補助療法を行ないます。脳血管障害(脳動脈瘤・脳出血・虚血性疾患)に対しては開頭手術並びに脳血管内手術を専門とした医師が常駐しており適切な治療を行ないます。脳神経外科の病床数は38床(集中治療室6床)です。2016年1月1日-12月31日 1年間の入院治療総件数は415例、手術件数は計291例で、脳腫瘍引例31例、脳血管障害(脳動脈瘤:29例、血管吻合17例)、脳血管内手術47例、頭部外傷61例です。
主な対象疾患
「脳腫瘍」では良性腫瘍である髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫などがあり手術加療を主に行なっております。悪性腫瘍である神経膠腫(グリオーマ)、上衣腫、悪性リンパ腫などは手術・化学療法・放射線治療を組み合わせた治療法を選択します。いずれの腫瘍も手術は合併症を最小限とするため、ナビゲーション・術中モニタリングを駆使して治療を行います。「脳血管障害」は脳神経内科との協力のもと24時間体制で脳卒中患者を受け入れております。脳梗塞は点滴及び内服加療し早期に回復期リハビリテーション病院などの転院を行い機能的予後の改善を目指します。なお、脳梗塞再発の高い頸部動脈及び頭蓋内動脈の高度狭窄・閉塞は適応を診断後に頸部病変では内膜剥離術(CEA)やステント治療(CAS)、頭蓋内病変であればバイパス手術を行います。また、出血性病変である脳内出血やくも膜下出血は手術加療が必要であれば夜中でも緊急手術を行います。手術は開頭手術(クリッピング術など)、神経内視鏡手術、血管内治療があります。「頭部外傷」も同様に適応に従い開頭手術を行います。「機能的外科疾患」は顔面痙攣・三叉神経痛に対し内服薬やボトックス治療の効果が無い患者さんに対して手術を行っております。以上、当院の脳神経外科は急性期や慢性期病態の治療を行っております。このため、入院された個々の患者さんの治療に偏り無いよう計6名のスタッフで加療させて頂きます。
スタッフ紹介
科長・臨床准教授 齋田 晃彦
- 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
- 脳神経外科 専門医
- 脳卒中 専門医
- 光線力学的療法(PDT)(原発性悪性脳腫瘍患者)講習会 修了
院内講師 原岡 怜
- 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
- 日本脳卒中学会 専門医
- 光線力学的療法(PDT)(原発性悪性脳腫瘍患者)講習会 修了
院内講師 市川 恵
- 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
- 日本脳卒中学会 脳卒中専門医
- 日本神経内視鏡学会 神経内視鏡技術認定医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
助教 高橋 賢伍
- 日本脳神経血管内治療学会 専門医
臨床助教 高梨 剣吾
臨床助教 山下 晃輝
兼任講師 大橋 智生
- 日本脳神経外科学会 専門医
- 日本脳神経血管内治療学会 専門医・指導医
- 日本脳卒中学会 専門医・指導医
兼任助教 青柳 滋
- 日本脳神経外科学会 専門医
- 日本脳神経血管内治療学会 専門医
- 日本脳卒中学会 専門医
外来診療
*表は右にスクロールして見れます
第一診
外来担当医 | |||||
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
髙橋賢伍 | 齋田晃彦○ | 高梨剣吾 | 齋田晃彦○ | 原岡怜◇ | 当番医 |
第二診
外来担当医 | |||||
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
山下 晃輝 |
脳血管内治療外来【予約制】
外来担当医 | |||||
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
大橋智生◇ |
脳腫瘍・頭蓋底疾患外来
外来担当医 | |||||
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
齋田晃彦○ |
「脳神経外科」の休診・代診 | |||||
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
治療・成績
診療実績(2022年度)
1.外来患者数
- 初診外来患者数 620名
- 再診患者数 5,657名
- 延患者数 6,277名
2.入院患者数
- 新入院患者数 517名
- 実患者数 1,006名
- 取扱患者 15,646名
- 平均在院日数 29.5日
入院手術実績 2020年
入院実績:計528例 以下主な疾患
- 脳腫瘍:35例
- 脳血管障害:343例
- 脳動脈瘤:破裂(くも膜下出血)- 23例、未破裂 -27例
- 脳出血:69例
- もやもや病:3例
- 脳虚血性疾患(脳梗塞など):205例 など
- 頭部外傷:87例
手術実績:計232例 以下主な手術
- 開頭腫瘍摘出術:23例 内、広範囲頭蓋底腫瘍摘出術-2例
- 内視鏡下腫瘍摘出術:1例
- 脳動脈瘤開頭ネッククリッピング術:24例
- 脳内出血開頭血腫除去術:5例、内視鏡手術:1例
- 頭蓋内外血管吻合術(バイパス手術):15例
- 頚部内頸動脈内膜剥離術(CEA):4例
- 頭部外傷による開頭血腫除去術:6例
- 慢性硬膜下血腫穿頭血腫洗浄術:47例
- 水頭症手術:26例
- 神経血管減圧術:2例
- 脳血管内治療:32例
- 脳動脈瘤治療(コイル塞栓術):5例
- ステント手術(CASを含む):17例
- 脳血栓・塞栓溶解術(血栓回収術を含む):5例 など